離婚相談室 協議離婚

協議離婚

「民法第763条(協議上の離婚)夫婦は、その協議で、離婚をすることができる」

夫婦間で離婚することへの合意があれば、民法第770条1項の離婚原因に関わらず、離婚をすることができます。当事者双方で離婚の合意ができていれば、離婚届を市区町村役場へ提出することで離婚が成立します。日本では、離婚される方の約9割が協議離婚です。浮気が原因の離婚も、ほとんどが証拠を突きつけての協議離婚になります。離婚の協議を優位に運ぶためにも、確実な証拠が有効になります。

離婚をお考えになったらまず第一に、離婚後の生活設計を考えることが重要です。
生活費と離婚の準備

そして、お互いの新しい生活のために二人できちんと話し合いをして、離婚に関して合意した内容を「離婚協議書」という書面にしておくことが大切です。不測の事態に陥った際に、合意した内容が証拠となり、離婚後の強い味方になります。

協議事項

  • 1.親権者の指定(未成年の子がいる場合)
  • 2.監護者の指定
  • 3.養育費
  • 4.面接交渉
  • 5.財産分与
  • 6.慰謝料
  • 7.履行の確保
  • 8.復氏
  • 9.その他、夫婦間で特に取り決めをしておきたい事項

子供がいない場合の離婚協議書(サンプル)

離婚協議書

第1条
○○○○(以下「甲」という)と、○○○○(以下「乙」という)は、協議により離婚することに合意した。
第2条
甲は乙に対し、財産分与及び慰謝料として金○○○万円の支払義務があることを認め、平成○○年○月から平成○○年○月まで毎月末日限り金○万円ずつ合計○○回の分割にて、乙が指定する預金口座に振込にて支払う。なお、利息は定めない。
第3条
甲と乙は、本契約に定めた以外には相手方に対し、何らの請求をしないことを確認した。

平成○○年○月○日

(甲)
住所:
氏名:

(乙)
住所:
氏名:

【ご注意】
以下の離婚協議書の例は一般的なものですので、ご夫婦それぞれの問題を個別に解決するものではありません。

書き方のポイント

【第1条】
氏名は、離婚前の氏名を書きます(旧姓は書きません)。
【第2条】
慰謝料が発生しない場合や、請求しない場合は、慰謝料については書きません。財産分与については、「結婚してから離婚するまでに間に築いた財産」を2分の1ずつで分けるのが原則です。
【第3条】
この条項は、「きれいさっぱり清算します」という意味です。要するに、お互いが離婚問題を蒸し返さないための条項です。
特別な約束がある場合はその約束を記入する。

子供がいる場合の離婚協議書(サンプル)

離婚協議書

夫○○○○(以下「甲」という。)と妻○○○○(以下「乙」という。)は、離婚について協議した結果、次のとおり合意確認する。

第1条
甲と乙は、本日協議離婚することを合意し、離婚届に各自署名押印した。その届出は乙においてこれを平成○○年○月○日までに行うものとする。
第2条
甲乙間の未成年の子○○○○(平成○年○月○日生、以下「丙」という。)の親権者及び監護権者を乙と定める。
第3条
甲は乙に対し、丙の養育費として、平成○○年○月○日から丙が満20歳に達する日の属する月までの間、毎月金○万円を毎月末日までに乙の指定する金融機関の預金口座に振込み送金して支払う。振込み手数料は甲の負担とする。 また本離婚協議締結後、甲又は乙の再婚、失職、物価の著しい変動その他の事情の変更があったときは、甲と乙は、丙の養育費の変更について、誠実に協議し、円満に解決するものとする。
第5条
第5条の内容がはります。
第6条
第6条の内容がはります。
第7条
(甲及び乙は、本合意につき強制執行認諾約款付公正証書を作成することを承諾した。(公正証書を作成する場合)

以上.

上記のとおり合意したので、本書2通を作成し、甲乙各自保有する。

平成○○年○月○日

(甲)
住所:
氏名:

(乙)
住所:
氏名:

【ご注意】
以下の離婚協議書の例は一般的なものですので、ご夫婦それぞれの問題を個別に解決するものではありません。

書き方のポイント

離婚の合意と離婚届の提出(第1条)
協議離婚を成立させるためには、協議離婚の合意だけではなく、戸籍法による届出が受理されて初めて効力を生じます。そこで、離婚を前提とした養育費・慰謝料・財産分与等の条項を含めた離婚協議書を作成する場合には、確実に協議離婚の届出がなされるように配慮する必要があります。
親権者等の指定(第2条)
夫婦間に未成年の子どもがいるときは、協議離婚の届出の際、協議でその一方を親権者と定め、離婚届と同時に親権者の指定の届出をする必要があります。そこで、親権者の指定文言を記載します。
子どもの監護養育は、監護権者を定めない限り親権の内容であることから、親権者の指定があればその者が当然に監護養育することになります。養育費の規定等との関係がありますので、このサンプルでは、監護権者についても注意的に記載しています。
養育費(第3条)

養育費は、未成年の子どもの監護費用ですので、一定の期間継続した支払い義務が予定されます。そこで、その始期と終期を明確にする必要があります。
始期は通常、合意の成立した月(またはその翌月)と定めるのが一般的です。終期は20歳(成人に達するまで)が多いが、18歳・22歳というケースもあります。
養育費支払いの合意は、将来の養育費までを現時点で定めるものです。そこで、社会経済事情の変動や父母の再婚・再婚に伴う子どもの養子縁組・父母の失職・収入の大幅減など、養育費の合意の基礎に大きな変動があったときは、養育費の増減について協議をすることができるという条項を加えることができます。

支払方法について

「養育費は日々生じるものであるから、その支払いは定期的に給付するもの」とされ、一般的に1ヶ月を単位とする定期金の給付がなされることが多いといえます。
その他、賞与時期に一定金額を加算する・特別な費用を要する時は別途協議する等の合意がなされた場合には、その旨を記載します。養育費の額についての注意事項としては、支払い能力にそぐわない高額な合意は避けるということです。すぐに支払いをしなくなって、トラブルになることが考えられますので、実態に合った額で合意をするようにしましょう。

面会交流(面接交渉)(第4条)
面会交流の定めは、できるだけ包括的一般的なものであることが望ましいとされています。詳細なものにしてしまうと、面接交渉が余裕をもって行われない、硬直化する等の可能性があり、弊害を招きやすいといえます。面会交流の意義をよく理解したうえで合意する必要があります。

【その他の条項】(第5条)

財産分与・慰謝料
財産分与と慰謝料についての詳細は、離婚の財産分与年金分割慰謝料についてをご参照ください。
年金分割の合意
年金分割についての合意がなされた場合には、按分割合についても記載します。
(年金事務所に年金分割の請求をする際に、この離婚協議書を公正証書にしておけばどちらかおひとりで手続きを行うことができます。)
通知義務
養育費支払いの確保のため、または面接交渉についての協議をスムーズにするために、住所等の変更をした際の通知義務を記載します。
清算条項
清算条項とは、当事者間に、この協議書に記載した権利関係のほかには、何らの債権債務がない旨を双方が確認する条項です。
財産分与・慰謝料等について、将来請求することがあるかどうかについて決めかねているような場合は、この清算条項を入れることはできません。
強制執行認諾
養育費等の支払い義務者である側も公正証書作成について合意した旨を記載します。養育費や慰謝料の分割払いについての合意がなされた場合には、強制執行認諾公正証書を作成しましょう。

公正証書とは

公正証書には、遺言公正証書、任意後見契約公正証書、金銭の貸借に関する契約や土地・建物などの賃貸借に関する公正証書、離婚に伴う慰謝料・養育費の支払に関する公正証書並びに事実実験に関する公正証書などがあります。

公正証書は、法律の専門家である公証人が公証人法・民法などの法律に従って作成する公文書です。公文書ですから高い証明力があるうえ、債務者が金銭債務の支払を怠ると、裁判所の判決などを待たないで直ちに強制執行手続きに移ることができます。すなわち、金銭の貸借や養育費の支払など金銭の支払を内容とする契約の場合、債務者が支払をしないときには、裁判を起して裁判所の判決等を得なければ強制執行をすることができませんが、公正証書を作成しておけば、すぐ、執行手続きに入ることができます。また、公正証書の原本は、公証役場に保存されますから、紛失・偽造・変造などの心配がありません。
公正証書作成の為には、まず、契約当事者間で契約事項についての合意(離婚協議書)が必要です。

大筋で合意が形成されたら、書面にするわけですが契約書面というのは書き方によって権利者に有利にも、義務者に有利にもなりますから、大筋で合意が形成された段階(離婚協議書作成)で公証人役場に相談してください。契約内容に法律上の問題がなければ公証人役場で手続を行いますが、公正証書遺言以外の公正証書作成では代理人による手続が可能です。

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